獅子頻迅寺址 石塔
この塔は、基壇下部の地台石が8角の石材で構成されているため、異形的な感じを与える石塔である。現在、台石の上に、四角の下台が置かれており、上部に厚い縁をめぐらし、その下には、角面を掘り出した3個づつの眼象(石造建築物の基壇に、装飾用に刻まれる模様)を刻んだ。眼象の中には、華模様が刻まれ、高麗時代の手法が表されている。中石の4面には、広い角柱である隅柱を刻み、ここに79字の銘文を刻んで、確実な年代を知らしめた。特に、上層基壇の柱石は、最も特色ある部分であり、四隅に形状のそれぞれ異なる4匹の獅子を座らせ、中心には毘盧遮那仏座像を安置した構造をとる。元来、9層であったこの塔は、現在、5層以上は消失しているが、高麗時代の石塔の特性を如実に示している。銘文によれば、高麗顕宗13年(太平2年、1022)に造成されたことが知られる、堅実な塔である。〔以上、「案内板」による〕