洛山寺 銅鐘

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洛山寺 銅鐘

宝物第479号

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 鐘身には、中央に太い三線が横帯としてめぐらされ、胴体が上下に区分されており、上部分には、蓮花座の上に無紋の頭光を備えた菩薩像4体が陽鋳され、菩薩と菩薩の間に梵字が4字ずつ配置されている。肩部近くには、また梵字16字が陽鋳されており、この梵字の上に一重の蓮花葉36葉が上帯とともにめぐらされている。下半部の胴体には、口縁から若干上がった所に幅9.5cmの横帯がめぐらされ、水波紋が彫られている。

 銅鐘の頂上には、絆龍2頭が互いにもつれ合って龍紐をなしており、非常に写実的な表現法によって装飾されている。中央の横帯と水波紋の横帯の間に、長文の銘文が陽刻されている。銘文は金守温が撰し、鄭蘭宗が書したものであるが、その内容によって、この銅鐘が朝鮮 睿宗元年(1469)に鋳造されたことが知られる。この銅鐘は、我が国の朝鮮時代の梵鐘の中、壬辰乱以前に属する貴重なものであり、銅鐘研究に重要な史料である。〔以上、「案内板」による〕

* 2005年4月、山火事によって洛山寺の大部分が焼失した。残念ながら、この銅鐘も完全に溶け去ってしまったが、2006年10月、復原された。なお、本ページの写真は、焼失の約2ヶ月前に撮影したものであり、銅鐘の最晩年の姿である。


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龍紐。高麗以前のものと差が大きい。


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