清見寺
山号は巨鼈山、本尊は観世音菩薩。もとは天台宗の古刹であったらしいが、鎌倉時代に禅宗に改められた。開山は聖一国師円爾門下の無伝聖禅という。朝廷や幕府等の為政者からの尊崇も篤く、東海道の代表的名刹としての位置を占めるようになった。
江戸時代には、朝鮮通信使がここに立ち寄り、宿泊や休憩することが通例であった。寺には朝鮮通信使の遺した詩文が大量に残り、方丈にはそれを木板に彫った懸板が掛けられている。また、境内の各所では、通信使が揮毫した扁額を見ることができる。〔以上、『清見寺綜合資料調査報告書』静岡教育委員会文化課、1997年を参照〕