石塔
塔の形態は、平面正四角形の基壇石の上に、五層の塔身部を立てた五層石塔と推定される。現在、塔身三層のみ残っており、上段二層と相輪部などは欠失しており、元来の形態がよくわからない状態である。残存している塔の規模は高さ3.06m、基壇部は横1.46m、縦1.46mの正方形である。
各層の軒先の層段台は、三段となっている三層を除いて、一層と二層はすべて四段となっており、塔身の高さは二層から急激に縮んでおり、塔身の高さに比べて、屋蓋石の規模の均衡が安定しておらず、鈍重な感じを与える。塔身の胴体と屋蓋石は、それぞれ一つの石で組まれており、屋蓋石の軒先は上向きの曲線をなしている。
この塔に関する詳しい記録は伝わらないが、細部的形態を表した手法が高麗時代の石塔の様式にしたがっており、高麗時代に造成された石塔と推定される。〔以上、「案内板」による〕