浄恵寺址 十三層石塔
この石塔は、土で築かれた一段の基壇の上に、高さ5.9mの十三層の石が積まれた姿である。統一新羅時代の石塔の中では、その類例を見出せない独特な形態である。
一層の塔石が巨大であるのに比べ、二層からは塔身と屋蓋石が急激に小さくなっており、二層以上はまるで、一層の塔の上に付けられた頭飾りのように見える。
塔の一層には高さ131cm、幅166cmの角柱があり、中央には仏像を安置する龕室がある。二層からは幅と高さが急激に縮まり、塔身と屋蓋石が同じ石で作られており、その様式が特異である。
柱は傾斜が緩いが、角は丸みを帯び、軒下は三段で構成されている。石塔の周囲には礎石や瓦などが散乱しており、浄恵寺址であることを伝える。
統一新羅時代、9世紀に立てられたものと推測され、十三層という珍しい層の数に加え、基壇部もやはり一般的な様式から外れており、当時の石塔研究にとって貴重な資料である。〔以上、「案内板」による〕