鞆の浦 福禅寺対潮楼

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鞆の浦 福禅寺対潮楼

史跡

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 海岸山千住院福禅寺は、平安時代の天暦年間(947~957)の創建と伝えられる真言宗の寺院である。本堂やそれに隣接する対潮楼は、江戸時代の元禄年間(1688~1704)に建立された。元和度(1616年)より、朝鮮通信使の三使(正使・副使・従事官)の宿舎として用いられた。正徳元年(1711)、通信使上官はこの景観を「日東第一形勝」と賞賛し、従事官 李邦彦がその書を残した。また延享5年(1748)には、正使 洪啓禧が客殿を「対潮楼」と命名し、洪景海がそれを書した。江戸時代、通信使の残した漢詩・書跡を鑑賞するため、多くの文人墨客が対潮楼を訪れたという。〔以上、池田一彦「対潮楼と通信使」『図説朝鮮通信使の旅』・明石書店・2000、「案内板」を参考〕

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楼内より「日東第一形勝」を望む。


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楼内には、通信使の墨跡を模刻した扁額がずらり


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上の木額は、福山藩の命により、李邦彦の書を板に彫らせたもの。


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洪啓禧「福禅寺楼次杜工部韻」。