奉先寺銅鐘

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奉先寺銅鐘

宝物第397号

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 睿宗元年(1469)に鋳造された、高さ229.4㎝、口径156.0㎝の青銅梵鐘である。この大型梵鐘は、朝鮮朝の睿宗元年に、先王である世祖大王の治績を記念して冥福を祈るため、貞熹王后の発願で製作された。鐘の頂き部分は、2匹の龍が頭を互いに逆方向に向ける一体双龍の龍鈕を形成し、中心の頂上部は、龍の爪で如意宝珠を大切に捧げた姿である。鐘の胴体には上部から、蓮板、蓮廓、菩薩像、梵字、下帯装飾が配置され、上帯と撞座は省略されている。天板は半球形で造形されており、周縁には広い単葉覆瓣蓮華文がめぐらされて装飾されている。その下には、2組の隆起した線刻がめぐらされ、鐘身と区分されている。鐘身の中腹には、隆起した3組の横帯がめぐらされ、鐘身が上下に区分されている。四方の蓮廊帯には繊細な唐草文が装飾され、その中には、半球形に突起した8つの蓮華文が、全9個づつ整列した姿である。菩薩像は、浅い線刻浮彫で造形されており、相好や衣褶などの描写が非常に繊麗である。下帯には、螺旋形の荒い波文が精麗に装飾されている。この鐘は、15世紀後半に王室の発願で官匠によって製作された大型梵鐘である。龍鈕彫刻や各部の装飾の造形状態が優秀で、鐘身の蓮廊と菩薩像、下帯紋様など、部分的に朝鮮鐘の紋様要素が反映された、朝鮮前期の模範的な造形性をよく示している〔以上、「案内板」による〕

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